発達障害と趣味を考える:なぜ「冬の家庭菜園」なのか?

前回は、発達障害(ASD)の人の新しい趣味として「冬の家庭菜園」をご紹介しました。
(→発達障害と趣味を考える:家庭菜園

今回は、

なぜ、単に家庭菜園ではなく、「冬の家庭菜園」をおすすめするのか?

について書いていきます。

なぜ「冬の家庭菜園」なのか

家庭菜園は1年中楽しめるものです。しかしわたしはあえて「冬の」と限定する書き方をしまいした。なぜか?

これはわたしのこれまでの家庭菜園の経験上、冬の家庭菜園が一番成功したからです。

失敗した野菜たち

わたしは家庭菜園の超初心者です。農家の娘でもなく、農業に縁もゆかりもなく、家庭菜園に詳しいわけでもありません。子どもの頃に畑仕事を体験したこともない。あえてやったことと言えば、幼稚園時の芋ほりくらいのものです。

そんなわたしですが、それでも何かしら庭に埋めようと思い、これまでいくつかの野菜に取り組んできました。

前回の記事で書いたのはほうれん草ですが、それ以外でこれまで取り組んだものは

  • ミニトマト
  • ゴーヤ
  • ピーマン
  • ナス
  • いちご
  • オクラ
  • アスパラガス

があります。

 

これらのうち、ピーマン・ナス・いちご・オクラ・アスパラガスは1回限りの挑戦でやめました。つまりわたしには手に負えなかった

いちごとアスパラガスは、いつの間にか消滅。いったいどこにいったんでしょう。庭に埋めたのが夢だったのでは?というくらい見事にきれいさっぱりいなくなりました。溶けてなくなった、なんてことがあるのでしょうか。謎です。

オクラは食べどきがわからず、ぼんやりしているまに食べごろをすぎて、いっぱい植えていたのにほぼ食べずに終わりました。食べどきが分からないというのも、違う意味でまた難しい。1個収穫したって、家族の食卓には何の足しにもならんし。

ミニトマトとゴーヤは懲りずに毎年取り組んでいましたが、こそこから学んだことがあります。

それは

「美味しさが関係する野菜は素人には難しい」

ということです。

美味しさが関係しない野菜とは

素人で、農作業に全く縁もゆかりも情熱もほぼないわたしが考えるに、野菜には「おいしい・おいしくない」があって、おいしい野菜は美味しいけど美味しくないものは美味しくなく、美味しくないものは食べたくないという現実があります。

何を言っているのか?というと、野菜にはそれぞれに栽培の難しさレベルがあって、それに加えて美味しさという問題があるのです。

毎年ミニトマトを育てていたのですが、毎年のように育てててようやく気付きました。

*うちのミニトマトは美味しくない
*美味しいものもまれにあるけど、美味しくない物の方が圧倒的に多い

もちろん、美味しいと書かれている品種を買っているんですよ。苗から。アイコが美味しいと聞いた年は、アイコを植えました。でもね、なんか違うんだ。

やっぱりそれは、プロが育てた美味しいミニトマトの味にはならないのです。いくら素人が肥料をやったり雑草とったりいろんな工夫をしてみたって素人だから、プロの美味しさにはかなわないのですよ。

わたしが難しいと思うのは「甘さ」です。例えば果物を買う時。バナナのように完全に「甘い」に振っているものは選ぶのは簡単で、より甘い品種を買えばいいだけなんだけど、苺とかみかんといった柑橘類は、甘くて酸っぱいのバランスが難しい。甘いものがいいんだけど、甘いだけじゃなくて酸っぱいも必要で、そのバランスって食べてみないと分からないものだし、美味しいものを買うのって難しい。

買うのだって難しいのに、育てるのが簡単なわけはない。ミニトマトは、それなりに量ができるけど、味のバランスが難しいのです。味が薄かったり甘くなかったり・・・で、家族が食べたがらない。結果、収穫せずに地面に落ちたままになってしまうことも多く、わたしの手には負えないと毎年思うのでした。

そんな中、美味しさが安定しているもしくは関係のない野菜というものも存在していまして、それが、これまでのわたしの経験上でいうと、ゴーヤとほうれん草です。

この2種は、美味しいとか甘いとか関係がないので、収穫すればそれはお店で売られているソレと同レベルのものができるのです。特にゴーヤなんてどうやったって苦いんだから、美味しいゴーヤとかマズイゴーヤとかなくて、全部マズイっていうかまぁそういうものでしょ?そういう点において、味的に失敗がありません(実があまり大きくならなかったとかすぐに黄色くなったとかそういうことはあるんですけど)。なので、「作ってみたけど不味くて食べたくない」という失敗が無い種類の野菜は素人向けだと思います。

ほうれん草も、味に大きく左右されることはなく、ほうれん草はほうれん草です。家で育ててもやっぱり普通にほうれん草の味でした。ということは、素人でも、フツーに販売されているレベルのほうれん草が育てられるということです。

わたしは「肉厚」っていう種類の種を選んだのですが、本当に肉厚の葉っぱで立派。こんな立派なほうれん草は見たことが無いというくらい立派に育っている個体もあるので、なんなら売っているものより状態がいいものさえあります。

ほうれん草の利点

この冬にほうれん草を育ててみて一番良いと思った点は

「収穫後に余計なものが畑に残らない」

ということです。

わたしが毎年育てていたミニトマトとゴーヤは、収穫が終わった秋に、大量に茎や葉っぱを処分しなくてはいけません。これがね、すごく面倒。

自分が遊んだ後始末なんだからやらなくちゃいけないんだけど、収穫も終わってるし、後始末はやる気が出ない。ひたすらメンドクサイ。農作業が好きな人は「そういうのもまとめて全部好きーー」なのかもしれないけど、わたしはそこまでではない。むしろそんなことは誰かにやってほしい。野菜が収穫できたらわたしの興味は終了です。

しかしですね、かれ放題になっている葉っぱや茎を、そのまま放置するほどの場所はないんです。やっぱり後始末はしなくちゃいけないんです。家族の誰も手伝ってくれないし。家族みんなで野菜を食べているのになんで誰も手伝ってくれないのとか理不尽に怒りも沸いてくるし、精神衛生上もよろしくない。

ところが。
ほうれん草の場合は、引っこ抜いたらその瞬間にその部分は畑に戻っているんです。スゴイ。当たり前なんですけどね、体験してみたら、これはすごいぞって思いました。これなら続けられそうだって。面倒な後片付けがないんだもの。収穫したら終わり。まさに美味しいどり。

ゴーヤの時もミニトマトの時も、夏の間楽しませてもらったんだしとイヤイヤながらもなんとか自分を説得して片づけていましたが、そんな面倒がないだけでこんなに楽しいとは思いませんでした。

ほうれん草を始めて育てて気づいたことですが、このラクさは葉物全般に言えることでしょう。

冬は虫がいない

わたしは虫がキライです。大嫌いです。そういう人間が「植物とか野菜とかを育てることは出来ない」とは言わないまでも、向いているとは言い難い特性です。虫大好きとか、虫は全然気にならないとか、好きじゃなくても「苦手ではない」人の方が圧倒的に有利。

それは細かい作業をする趣味を持つ人なら器用な方がいいし、スポーツ系なら運動神経がいい人の方がいいのと同じこと。どっちかっていうと、器用だから細かい作業の趣味をしたり、運動が得意とか運動神経がいいから体を動かす趣味をするわけですね。

こういったことを踏まえると、農作業をするにあたっては「土いじりが好き」とか「植物を育てる、野菜を育てるのか好き」ということがまずありますが、虫については「虫がすきだから家庭菜園をする」というほどのつながりはないものの、虫とはどうしても切っては切れないおつきあいになってしまいます。

虫が好きな人がやる趣味ではないけど(その場合は、昆虫採集でしょうか)、虫と絶対に関わることになってしまいます。虫と関わると言っても「虫を育てる」というよりも「虫を駆除する」という方向性になるので、躊躇なく虫を捕殺できる神経が必要ですね。

わたしは虫がキライな上に捕まえる勇気もないし、捕殺なんてとても出来ません。考えただけでゲロ吐きそうなほどイヤです。アリでさえイヤです。何の虫ならかろうじて大丈夫か?ということはなく全部の虫がオールマイティーに嫌です。

さて。ここまで虫が嫌いとなると自然と関わるのがそもそも難しい。どこにだって虫はいるんですから。わたしは虫が嫌いなので、世界中から虫がいなくなってほしいと本気で思っているのですが、生態系のバランスを考えるとムリな話で、虫の世界でさえいろんなバランスの上で成り立っていることは十分承知している。それなら贅沢なことは言わないからせめてわたしのいる範囲だけでもいいから虫がいなくなってほしいと思うのですが、それも無理であって、わたしが世界からいなくなるほうがよっぽど早いという結論を出し、今に至っています。

虫との世界はつながりを立つことは不可能で、大規模な農園をやるということではなく、家庭菜園のような狭い小さい自然の中でさえ虫はいます。小さい範囲なのに、耕せば小さい幼虫みたいなのがわんさか出てくるし、アリは巣を作っているし、セミの死骸が落ちてたりダンゴムシやワラジムシが大量発生してたり。

農作業で作物に虫が付いたなら、見つけて取って殺すことになると思うのですが、それはわたしには出来ないので「虫がいない」という環境がとても大事、何より大事。

happywiz / Pixabay

ゴーヤやミニトマトは作りやすい作物だから取り組む人は多いだろうし、わたしもそのうちの1人だけれど、どうしても虫は付くんですよね。我が家の場合だと、ゴーヤにはなぜかでかいカマキリが1匹はいたし、カメムシはいっぱいいました。あと、蜂とかハエとか、そういう飛ぶ虫もいました。そうすると畑の中に入って収穫するのさえ怖くなるんです。

ところが冬の家庭菜園となると夏とは比較にならないくらい虫がいません。この半年、わたしは種を植えて収穫にいたる11月から4月までの間に見た虫といえば、ダンゴムシとナメクジ2匹。作物についていた虫(これが一番気持ち悪い)は、いませんでした。ナメクジだって嫌だけど、半年で2匹なら我慢できる。

このように秋から冬にかけては、虫嫌いの人でも野菜作りの楽しさを味わえる季節だと言えそうです。

まとめ

これらの持論をまとめると、冬の家庭菜園は

種類を選べば、味は関係なく、それなりのものが収穫できる
葉物なら収穫後に面倒な片づけがなくてラク
虫が嫌いな人でも楽しめる

ということです。

虫が極端に嫌いで農作業の知識は全くないわたしでも、それなり野菜作りの楽しさを味わえたので、家庭菜園初心者に向いていると思います。

今回はほうれん草でしたが、来年の秋には違う野菜にもチャレンジしたいと思います。

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