ハローワークの「発達障害の専門相談」を受けて、心に残っていること

以前、ハローワークで発達障害専門の相談を受けた時のこと。
わたしは、相談員の方に聞きました。

わたしはどんな仕事なら出来ますか?
こういう特性を持っている人に向いている仕事は何ですか?

これが一番聞きたかったことなのです。すごく切実な問題だったのです。

わたしは何もできないわけじゃない。知能の遅れもないし(学生時代は勉強ばかりしていたしテストの点数も良かった)、計算が全く出来ないとか手先が不器用すぎるとかもないし、仕事では電話に出たり、人と会話したり(好きではない)、人と目を合わせることも出来る。パソコンも普通に使える。

明らかな障害があって、誰がどうみても「あなたは障害がありますね」と分かる症状はない。けれども、仕事は続けられない。仕事上でも人間関係でも、圧倒的なストレスを勝手に抱えて勝手に押しつぶされてしまうことを繰り返す。今だに社会になじめない寂しさ。

こんなことでは一生、わたしはまともに働けないしまともに稼ぐことも出来ない。社会人として、大人として、ダメ人間だという恐怖と諦めと自己嫌悪。

言ってみればわたしは、わたしが仕事を続けられない理由を、『仕事の内容がわたしに合わなかったから』だとすることで、『自分にぴったりな仕事なら続けられるはず』という救いを求めていたんだと思います。

でもね、そんなのを探し続けても、青い鳥なんてどこにもいないわけ。うすうす気づいていましたけれども。それでも「社会になんとしてでも出なくては」「パートでもなんでも、1円でも稼がなくてはいけない」と思って生きていましたので(出来る出来ないは置いておいて)どうしたら仕事を続けることが出来るのだろうか?と、その正解となる仕事を探し求めていたのでした。

探し続けて40歳を超え、40を超えても未だに答えは見つからない。そうなってくると「明らかに不向き」な仕事というものは確かに存在するけれども、それ以上に重要なことがあるな、ということが自分なりに見えてきました。

それが「自分が受け入れてもらえているという安心感を感じられる環境」なんです。安心感を持ってのびのびといられる空間であれば、これまでずっと多大なる緊張感を感じながら取り組んできた様々な仕事よりも、ずっといい結果を出せる。

私が相談員の方に

どんな仕事なら出来ますか?
こういう特性を持っている人に向いている仕事は何ですか?

と聞いたとき、彼女はこういいました。

こういう特性を持った方は、どんな仕事でも出来るんですよ。ふさわしい環境さえあれば

なんという、正しくかつ冷酷な答え。それは正しい。確かに正しいが、現実的には難しいからこうして相談にきているわけで。

そして話は続きます。

ご家庭では、旦那さんが理解してくれているからラクに過ごせるでしょう?

そうなのです。わたしの夫は、結婚する前も後もこれまでずっと、わたしの様々な『出来なさ』に対して攻撃するか失望するかを繰り返していました。その度にわたしは、自分の敏感すぎる感情と、夫の感情の波に引きずられ、精神状態は常に不安定でした。

ところが昨年から急激に、わたしやこういった障害を持つ人への理解を示すようになってくれたのです。こういった人間が社会でも会社でも(これまでより増えたのかどうかは分かりませんが)目につくようになり、昨年はTVで発達障害の特集を何度か見かけましたから、健常者であっても「発達障害」という言葉に触れたり実際に「発達障害っぽい人」と接する機会も多くなってきたのかもしれません。

しかしグレーゾーンの発達障害の場合、自分の特性について証明するものはありません。仕事上で配慮してもらえることもない。だから仕事上でも(人間関係でも)勝手にストレスを抱えて、すぐに仕事を辞めてしまう。まわりからみたら、ストレスに弱いワガママ迷惑人間でしかありませんよね。

夫がわたしを(以前より)理解しようとしてくれていることは日々感じるので、相談員の方にそう言われた時「ほんと、そうだな」と、涙が出て止まりませんでした。これにはわたしもびっくりしたんですが。

仕事は続かないし、勝手にストレスもためすぎるし、友達作りも苦手なわたしであっても、家の中で子どもと接したり家事をしたり、最低限の近所付き合いといった波風の少ない生活であれば、それなりに落ちついた感情で過ごすことが出来るのです。そしてそういう生き方を選択出来るのは、全て夫のおかげ。ありがたいことこの上ありません。

何の仕事なら出来るのか?ということについてはさんざん考え、考え尽くしました。が、やはり「これだ!という職業」は見つかりませんし、相談員の方も「これが向いている」という職業は一つも言いませんでした。今のところ、完全にこれなら出来るという職業があるわけではなくて「続けられるかは、受けれてくれる環境による」というのがわたしの中での落としどころです。

しかしそれだと他人任せであって「続けられるかどうか、受け入れてもらえるかどうか?」は入社してみないと分からないので、ある意味バクチです。どんな職場でももれなく自爆しているわたしからすれば「ストレスのない素晴らしい環境がどこかにはきっとある」とは、とても言い切れません。

そんなわたしが快適に過ごせる場として、家庭があります。ここにいれば「感情の波は極めて穏やかで、仕事に出るよりもはるかにストレスが少なく過ごせる」ということが分かってきました。

少ない金額であっても少ない時間であってもパートに出なくては、とずっと考えてきたわたしにとって、家にいて1円も稼がないことはかなり罪悪感があります。

それでも、最近夫にこんなことを言われるのです。

1.今は、子どもたちにとっても夫にとっても、わたしが穏やかなので過ごしやすい環境になっている。

2.わたしが仕事に出ると必ずストレスをかかえるので、家庭環境が今より悪くなる。
(子どもの成長にゆがみが出たり、家庭不和による離婚問題にも発展しかねない。以前はそうなりかけた)

3.現状、わたしに優しい環境であり、かつ家族も過ごしやすいというわたしも含む家族全員にとって良い環境なのに、それを手放してまで月に数万円を得る為にパートに出る必要があるのか?(=ない)

4.わたしが専業主婦でいることは、家族全員にとって良いことである。

ここまで言われてしまうと、何もわたしのワガママで、わざわざ自分を苦しめるためにパートに出る必要はないと思えてきました。

『わたし自身が一番苦しみ、その上、家族みんなが苦しむこと・みんなが家で過ごしにくくなること』と、パートでの微々たる収入を天秤にかけた時、どちらが私と家族にとって重要か?なんて、考えてみるまでもないこと。

家族というひとまとまりで捉えた時、『自分がどうしたいのか?・どう生きたいのか?』だけを突き詰めるのでなく、みんなが幸せになれることを第一に選択しないといけないなと改めて教えてもらいました。

ということでわたしは当面、わたしの為だけでなく家族全員が平和に暮らしていくためにも、積極的に家で専業主婦をしようと思います。

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