スーパーで『超熟成焼き芋 紅和み』という焼き芋に出会ってしまったわたし。
焼き芋関連の記事の中で何度も書いているのですが、ここ数年『スーパーで手に入る焼き芋で、わたしにとってのナンバー1』は、紅天使でした。昨年、我が家の近所に新しくスーパーが数件出来たんですね。この一つのスーパーで扱っている焼き芋が、これ[…]
そのおいしさに紅和みというサツマイモのことがもっともっと知りたくなって調べていたところ、サンパタータというお店で販売していることが分かりました(そのお店の焼き芋と、近所のスーパーで販売されている紅和みと関係があるのかは不明です)
このサンパタータというお店のHPを確認したところ、この店では紅和みの焼き芋等さつまいもの商品をいろいろ販売していて、店舗は
- サンパタータ・かすみがうら店
- サンパタータ・イオンスタイル レイクタウンmori店
の2店舗があることが分かりました。
なるほど、イオンスタイル レイクタウンmori店なら行けるじゃないか。と思っていたところ
HPには『イオンスタイル レイクタウンmori店 閉店のお知らせ』とあり、そこに『イオンスタイル レイクタウンmori店は、2月11日で閉店することになりました』と書かれています。
わたし、今この瞬間にサンパタータというお店の存在を知り、そのお店がレイクタウンにもあることを知り、そして知ると同時に閉店。
なんというかまぁ。
この情報を知った日から閉店の日まで、1週間もありません。わたしの住む埼玉から霞ヶ浦はそこそこ遠いし、行ける距離にお店がある内に一度は行っておきたい、ということで急いで行ってきました。
サンパタータイオンスタイル レイクタウンmori店へ
店舗に到着。まわりに人はいなくて、商品を見たい放題選び放題です。
壁にこんなお知らせが貼られています。
閉店って本当なのね。
このお店にたどり着けたはいいものの「初めまして。そしてさようなら」というスピード感に、いささかとまどっています。何しろこの段階ではまだ、ここの焼き芋がおいしいかどうかさえ分からないのです。美味しかったらずっと通い続けたい食べ続けたいのに、出会ったとたんにさようならをしなくてはいけないことは決まっている。なんという悲しい出会いなのでしょう。それでもこの出会いを喜ぶべきか否か。
店員さんに聞いてみる
しばらくショーケースを眺めたあと、店員さんに聞いてみました。

味はどう違うんですか?
さつまいもにこだわった焼き芋やさんだから、サツマイモについてすっごい説明してくれて、いかに自分が芋を愛しているかとか自分の好きな焼き芋の感想とか、ねっとり度とかを熱く語られる、というようなことも予測して行ったんですが、そういうことは全然なかったです。
『店員さんの焼いもへの熱い想い』をわたしにぶつけてくれて、全然良かったのに。むしろ聞きたいのに。もっと芋のこと知りたいのに。
なんて思いましたが、なにも焼き芋を愛しているから焼き芋やさんで働いているばかりではありませんよね。
例えばコピー機を売っている営業マンは、世界でなによりコピー機を愛しているからコピー機を売っているばかりではなかろう。そりゃそうだ。それぞれ何かしらの縁でその世界に出会って働いているわけで。サツマイモの世界で働いているからって、全員に「激しいさつまいも愛」を求めるのは酷というものだな。
なんていうことを家でしみじみ思いました。
買っちゃった。
糖度が40とか言われてもね、想像出来ないし分からない。やっぱり食べてみないと分かりませんね、というわけで買いました。
まず、この箱。凄く立派です。とても焼き芋が入っているとは思えません、なんていうと焼き芋に失礼かもしれないけど。こんな立派な箱に入っている高級やきいも、食べた事ないです。分かってはいますが、これは日常使いの芋ではありません。贈答品ですねこれは。
これを自分で買いまして、自分にプレゼントするっていう今回の企画。嬉しい。
箱の中の様子
袋が2つ入っています。全部で芋は7本
袋ごと重さをはかると1062gでした。
賞味期限は?
買う前に店員さんに確認したのですが、賞味期限が長い。なんと1年近く。
2020年2月に買って12月まで保存できる。保存食レベルですね。
本気出せば、芋の1キロなんて1日2日で食べ終わっちゃうと思いますが、誰かに差し上げることもあるだろうし、日持ちする方がありがたいです。これだけ長く保存できるなら、「早く食べなきゃ」と焦る必要もありませんからゆっくり楽しめます。
プレミアム「紅和み」実食
プレミアムの芋は『糖度40%以上で、熟成焼き芋よりさらに甘い』と店員さんに聞いています。
それではさっそく食べてみます。そして、そのすごい焼き芋を食べてみた感想を正直に言いましょう。
これはもう焼いもではない。以上。
どんな味?
プレミアム「紅和み」極甘は焼き芋ではない。
何を言っているのか?というとですね、芋の甘さを追求するあまり、芋ではなくなっちゃったということなんです。
このプレミアム「紅和み」極甘は、とにかく甘さが凄い。甘さが半端なくすごいんですが、その代わりにいろんなものを失っちゃってる。
柔らかすぎて手でちぎることは出来ないし(潰れるから)、切るとそこから水分があふれ出す。
ゆびで芋を圧迫すると水がぐちゅぐちゅと出てきます。冷凍している芋を解凍しているからその水分じゃないの?って思いますよね?ところがそうじゃない。この水っぽいあふれている部分、全部甘いの。蜜。
これがナイフで切った断面です。ちょっと筋っぽく割れています。
そもそも、『紅和みという芋は甘い』
これはスーパーで紅和みの焼き芋を買った経験から予測済みですが、想像以上の甘さです。焼き芋という枠を超えちゃった。
蜜ですこれは。若干芋風味がある蜜。焼き芋っじゃないの。この断面をみると分かりますが、若干スジっぽい。食感としては、プレミアム「紅和み」極甘よりも、熟成の芋の方がクリーミーでなめらか食感でした。
プレミアム「紅和み」極甘は、わたしの考える焼き芋らしさはなくて、新食感の『サツマイモ蜜』と名乗ったほうが良い。スプーンですくって食べる焼き芋。『焼き芋が甘い』んじゃなくて、甘い蜜に焼き芋風味と少しの固形物(芋)を入れて混ぜたような感じ。
このようにプレミアム「紅和み」極甘は、すごーーーーーく、甘いかったです。甘い以外の感想が出てきません。糖度40%以上というのはものすごい甘さなんですね。
熟成焼きいも「紅和み」との比較
プレミアム「紅和み」極甘と熟成焼きいも「紅和み」は、どちらも紅和みです。その違いは熟成度合い。熟成度合いによって糖度が違う。
簡単に言えば、プレミアム「紅和み」極甘の方がいっぱい熟成させてて甘いってことです。その分お値段も高い。
両者の味はどう違うのか?ぜひとも体験したいので、こちらも買いました。
この芋は1本だけで買いました。皮はしっとりしています。
どちらも単体で食べていたら「甘い焼き芋」くらいしか分かりませんから、一口ずつ食べ比べてみます。
左が熟成焼きいも「紅和み」、右がプレミアム「紅和み」極甘。
左の方が断面がクリーミーな感じがしますね。
プレミアム「紅和み」極甘がほぼ蜜なのに対し、熟成焼きいも「紅和み」の方は焼き芋感が多少あります。甘くてしっとりです。
甘太くんをアルミホイルで包んで焼いた時のようなしっとり感です。
紅天使との比較
甘さですが、熟成焼きいも「紅和み」とプレミアム「紅和み」極甘ともに、紅天使よりも甘いです。迷うことなく紅和みの方が甘い。
しかしですね、ちょっと見て下さい。これが紅天使をけむらん亭で焼いたものです。
皮はパリっと少しこげて香ばしい。
そして、手でちぎれます。しっとり系の芋ながら、ホックリした断面!
甘さとホックリ感と皮のコゲのバランスが、唸るほどに絶妙。
焼いもの美味しさというのは、何も甘さだけではなかったのです。
甘さとしっとり感ばかり追求し、甘くて柔らかければいいとわたしは思っていたのかもしれません。ですが、甘さを極限まで追求した焼き芋(プレミアム「紅和み」極甘)を食べてはじめて気づかされました。焼き芋っていろんな楽しみ方があるよねってこと。甘いだけが全てじゃない。
甘さを追求するのもいいけど、熟成は最高でもこのくらいでやめといたほうがいいんじゃないか?と思いました。数か月熟成で十分甘いから。プレミアム「紅和み」極甘は1年熟成だけど、そこまでやらなくてもいいように思います。
だからもう、さらに2年3年とトコトン熟成しようなんて思わなくていいし、甘さもこれ以上は追求しなくていいと思う。もう十分です、と。もう十分なほど甘いしこれ以上の甘さなんて求めない。すでに焼き芋としては焼き芋の限界を超えて甘すぎるってくらい甘いんだから。
焼き芋大好きなわたしは日本の片隅でひっそりと、そう思っています。