空気を読みすぎる

発達障害って、最近よく聞く言葉ですけれど、それは私の周りだけでしょうか?自分が妊娠を意識したとたんに世の中に妊婦が増えて見えるアレ、もしくは自分が黒い服を着た日はやたらと街に黒い服を着た人が多くない?っていうアレでしょうか。いやそうではなく、発達障害の人って昔と比べて増えていると思います。

正確に言うなら、そうと診断される人、という意味で。そんな言葉なかったですよね。少なくとも私は聞いたことありませんでした。自分が小さい頃は、学校に障害児学級はあったし、それとは別に養護学校があった。そこに通うのは明らかに分かりやすい障害を持った子。でも、今話題になるような発達障害って、そういう分かりやすいものばかりじゃないです。

むしろ「明らかに障害がある人」ではないんだけど「なんか変わってる」という人が、「それっぽい」という人として認められるようになったといいますか。だから見た目も行動も「明らかに障害がある人」には見えません。あくまでも普通に、普通の顔をして、普通の服を着て、普通の人の社会に溶け込んで生活をしています。

周りの人からみたら「あの人ちょっと変わってるね」くらいで済んでいるレベルでも、本人としては社会の普通に合わせるのに非常に苦労している、ということがあります。学生時代ならまだしも、社会に出れば結果を求められるし。それこそ普通の人と同じ仕事での結果を。学生時代もなかなかの地獄ですけどね、女子の世界では。

「グレーゾーンアスペルガー、隠れアスペルガー」という言葉、さらにそういった特性を持つ女性はとても生きにくさを抱えているということを「発達障がいカウンセラーの吉濱ツトムさん」という人のホームページや関連の記事で読んで知りました。数年前のことでした。私にとって、これらから得られる情報はまさしく私を現しているものであり、もっともっと、グレーな、隠れアスペルガーの状況を知りたい、そしてラクになりたいと思いました。

しかし、恥ずかしがり屋の隠れアスペルガーさんは隠れているからなのでしょうか。私の知りたい情報はそこまで多くは得られませんでした。あくまでも「隠れている」障害なので、誰かが「あなたは発達障害ですよ」と診断してくれることはありません。「診断されたところで?」ということもありますけどもね。でもとりあえず「ああ、この生きにくさはそういうことだったんだ」と安心はするじゃないですか。私はしました。逆に「私が発達障害だなんて、冗談じゃない」と怒る人もいるかもしませんが。

発達障害であることが明確であるなら、完全にそういう風に生きる、という方法もあります。しかしこのグレーゾーンアスペルガー(女子)は、発達障害と診断されているわけではありません。診断されている人もいるだろうけど、自分で「何かヘンだ・ほんとに毎日つらい・生きにくい」と思っている程度の人は世の中にいっぱいいるでしょう。あくまでもそういう症状をもった普通の人。だって、診断されるレベルにはないし、普通に生活出来ているしね。はた目には。本人がどれほど苦しんでいようとそんなことは伝わりませんからね。

私自身、ネットで簡単に出来るような診断をやってみたこともあるけれど、アスペルガーでもないし、発達障害でもないし、あくまでも自称の隠れアスペです。それに私はたぶん周りの人からはちょっと変わっていると思われているかもしれないけれど、私がどうやら発達障害のケがあるかもしれない、ということは誰にも言っていないし、周りもそう思ってもいないし、思ってもらう必要もないでしょう。何か問題なのか?と言えば、ただ「本人が生きづらさ」を抱えて生きている、ということだけ。

この特性は非常に理解してもらいにくい。なぜならみんなが少しづつ持っている悩みだから。

例えばこんな感じ。

グレーアスペ
「人とうまくいかない、うまく話せない」
そうじゃない人
コメン「みんなそうだよ」
グレ-アスペ
「人前に出るのって本当に緊張して死にそうになる」
そうじゃない人
「私だってそうだよ、みんな同じだよ」

そしてグレーアスペは分かってもらない悲しみに、さらなる闇に落ちます。誰かに言っても仕方ないんです。だってみんなそうなんだもん。でも。なんでこんなに苦しいの?

グレーゾーンアスペルガーが抱える悩みは、みんなが抱えているものと同じもの。それをつらいつらいと言われても、ただの甘えに過ぎない。そういうふうに思われることでしょう。あとは、暗いヤツとかただの考えすぎでやっかいな奴だとか思われるのが関の山。

ちーーーがーーーうーーー!
そうだけど、ちーーがーーーうーーー!

声を大にして言いたい(別に言いませんが)

↓これは隠れアスペについて書かれたHPのコピーです

「隠れアスペの人は、アスペルガー症候群だと明らかな人(「真性アスペ」)に比べて症状が軽く、周囲も本人も障害があるとは気づきません。むしろ、空気を読みすぎるくらい読んで、気配りを欠かさない優秀な人も多い。それなのに、本人はわけのわからない劣等感にさいなまれたり、過緊張に苦しんだりしていて、本来もっている才能や人間的魅力を発揮できないでいます。ある意味、「真性アスペより悩みが深いのが隠れアスペ」だと吉濱氏は言います。」

ここに、特性が端的に書かれています。アスペグレーゾーンの女子特有の特性だと思いますが、とにかく気を使う・空気を読む。周りに合わせよう、相手の気持ちを読み取ろう、と努力します。それはもう全力で。基本的におとなしいし、そんなに自己主張もしないと思われがち。自己主張がない、ってわけではありませんよ、相手と張り合うのではなく、合わす。(もちろん自分の意見もあるので、自分ばかりが合わせている・我慢しているという不満も同時に溜まります。)

自分を出していいのか?嫌われるんじゃないか?そんなことをくり返すうちに、自分が遠くに行ってしまう。いつしか「私はこんな食べ物が好き」なんてことさえ、自分から口に出すのが怖くなる。どんな食べ物が好き?と聞かれた時、私はこう乗り越えていました「あなたは何が好きなんですか?」そして出てきた答えに対して「いいですよね、私も好きです」と言う。自分の意見なんて出したら嫌われてしまうと、過剰に恐れるのです。本当はそんなことどうだっていいのに。そしてそこまでして他人に合わせたとしても、誰といても感じるうっすらとした違和感。

今では私も歳をとり、それなりに図太くなり、私は私でいい、と思える部分が多くなりました。先ほどの食べ物の話でいえば、「私は〇〇が好きなんです」とか「えっ、××が好きなんですか?どうして好きなんですか?」と聞いてみる、なんていう返しも出来るようになった。

私は、私がちょっとヘンでももうそれでいいし、他の人は他の人のままでそれでいいということが分かってきましたから、別にその相手と好みが合わなくたっていいし、相手が好きなものを受けれなきゃいけないってことはないと今では理解出来ます。その「××が好きな相手そのもの」を受け入れればいいのであって、その人の好みに合わせる必要はない。

それでもある程度図太くなるまでは、こんな調子で毎日果てしなく疲れました。生きているということは果てしなく疲れることです。おそらくですが、小学生のころからウツ病。ウツ病っていうかそういう脳の特性か。もはや気遣いとか気配りという次元を超えています。気遣いとは何なのか。本来なら相手に対して向けられる行為ですが、グレーアスペの場合は、過剰に傷つきやすい自分を強固に守る為の行為でもありましょう。

気を遣いたいわけじゃない、でもそうせずにはいられない。それが自分を守ってきた唯一の自分の居場所の確保の仕方・生き方なのです。笑顔を作ってみせたりね。社会に出たての頃、よくニコニコしてるねと上司に言われたことがあります。ありがとうございますとお礼を言いながら「うるせーーんだよ」と思いました。作り笑顔で、緊張して気絶しそうな自分を守っているだけです。笑顔でいようとか意識せずとも自然とその仮面が張り付くようになっています。この笑顔は自動発動ですので、さっきのタイミングって別に笑顔作らなくてよかったじゃんと、たまに落ち込んだりもします。笑顔を作るなんてことはわりかし、女子の世界では当たり前かもしれません。それでもおそらくその行為による無理してる感・疲れが過剰なんだと思います。その笑顔を作れたとして、その先に何か成果(たくさんの友達とか、だれかと分かり合えるとか)があるわけではなくて、その場限りっていう虚しさとか。

「わけのわからない劣等感にさいなまれたり、過緊張に苦しんだり」これはグレーアスペの標準の日常。自己肯定感が著しく低いからでしょうね。実際は、出来ることもあるんです。人によって違うでしょうけれど。隠れアスペルガーは隠れる程度の障害、障害と呼べるほどでもないものですから、日常生活を営むことは出来るのです。朝起きたり、ごはんを作って食べたり、買い物にいったり、といった日常生活も送れます。仕事にも行っている人が大半でしょう。仕事でもものすごい重圧感がかかりますが、それは仕事内容や環境や、障害の程度でまた違っているかもしれません。

デフォルトの状態として、生きているだけで物凄い劣等感・自己否定の中で我々は生きていますから、さらに仕事という重圧はなかなかのものがあります。毎日頑張って生きているのに、もっともっとがんばらなきゃいけない?それに仕事って、仕事に対する「成果」で評価される。われわれは普通の人の普通の社会に合わすための努力がまず必要なわけですが、それは会社での「成果」ではないし、評価されません。毎日10キロの重りをもって生活しているようなものです。過緊張というのもそうですね。それも自己肯定感が低いことからくるのでしょう。本来は出来ることもその人らしい良さもいっぱいあるはずなのに、押さえつけられて周りに合わすことで精いっぱいな中で育ってきたから、それを出せない。人といるだけで緊張します。グレーアスペにとって、自分をとりまく環境(自分を受け入れてもらえていると感じられるのか・そうでないのか)は、とても重要です。

 

 

 

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