発達障害の人が家庭菜園に取り組むあたり、注意すべき点

前回までに、発達障害(ASD)の人の新しい趣味として「冬の家庭菜園」をおすすめし、その理由について書きました。

発達障害と趣味を考える:家庭菜園

発達障害と趣味を考える:なぜ「冬の家庭菜園」なのか?

今回は
発達障害の人に向けて、家庭菜園で注意すべき点

について書きます。わたしの経験上、家庭菜園を行うにあたって最低これさえクリアしておけば何とかなる(なった)という話です。

植え方について

われわれのような発達障害者および発達障害っぽい人間が野菜を育てるにあたり、一番大事なことをまず言います。それは「直接地面に植える」ことです。これを地植えと言います。

地植え
鉢やプランターなどの容器に植えることではなく、畑や庭、花壇などの地面に直接植えることです サカタのタネHPより

何故地植えが大事なのか?

それは、われわれは様々な事柄において忘れっぽいし、興味や集中力が続かないからです。

これはASD傾向かもしれませんが、興味のあるうちは熱狂的に行動しますが、とたんに興味がなくなったり自分のなかで存在そのものがなくなったりすることがあります。

しかし植物は生きているんです。自分の興味があるとかないとかに関わらず、植えられた植物はその場所で生きている。しかし、自分はその存在を忘れてしまう。

自分が「その時興味があった対象物の存在すら完全に忘れてしまう存在である」ということを自覚し、予め「自分がその存在に興味を失ったり忘れてしまったときも、自力で生き延びられる環境に植える」ということが大事なのです。それがつまり地植えなのです。

手入れは出来る限りしなくていい状態で育てるのが理想です。最初はいいんですよ、育てよう・植えようという気持ちで始めるので、土を耕すとか種をまくくらいまでは意識が高い状態を保てると思います。

しかし、徐々にその存在を忘れていくのです。家庭菜園はもともと、それほど手間がかかるものでもなく(規模によりますが)、子育てのように朝起きてから寝るまでずっと面倒をみて食べものを与え、顔色を見て健康状態にも気を配り、今だけでなくて明日、数年先やもっと先のことも考えて・・・といった面倒なことはありません。また、ペットのように、遊んでやって散歩に連れて行って餌を与えて・・とかもない。はっきり言って、それらほど手はかかりません。

数日ほっておいたって死にはしないんです。

しかし。ずっと放っておくと死ぬ。これが植木鉢やプランターでの栽培です。植木バチやプランターで植物を育てるのはとても大変で、なにより水やりが頻繁に必要になります。

これってメンドクサクナイ?

あなた(およびわたし)は、最初はそのプランターにこまめに水をやります。そのうちにめんどくさいなと思い始め、めんどくさいと思いながら水をやります。そして徐々に水をあげる回数が減り、たまに気づくと「あ、水あげてなかった」という罪悪感にさいなまれ、その鉢やプランターが目に入るたびに自分を責めて嫌な気持ちになり、ますますその物を自分から遠ざけ、いつしか植物は枯れ、枯れた物を見るのが嫌でさらに放置。

というコースをたどります。そして放置している間ずっと枯れた植物が存在していることになりますので、運気もさがる気がするし、枯れた植物を処分するのも面倒だし、気が滅入る。

「あぁ、枯れちゃった可哀そう」とか、「あぁわたし、また枯らしちゃった」「わたしってなんでこんなにダメなんだろう」とか、落ち込みます。そんな植物だとか野菜を育てるごときで自己嫌悪に陥るなら、最初からやらなきゃいい。プランターで植物を育てるのはレベルが高いことなので、最初からやらない方がいい。

このように地植えじゃない方法で植えることは、それがうまくできない人間にとってはデメリットがとても大きい。自分のことすら余計に嫌いになりますからね。えぇ、もちろんわたしはプランターや植木鉢で植物を育て、うまくいったことは一度だってない。威張っていうことじゃないんですけど事実そういうことなんです。

世の中には、こういう「植物を育てる」ことがやたら得意という人達もいるので、そういうことはそういう人に任せましょう

わたしの例でいうと、わたしの義母はこういうことはめったやたらと得意です。わたしは必ず枯らしますし、これまでありとあらゆる鉢物を枯らしてきました。サボテンもエアプランツも枯らしました。枯らした原因は、水のやりすぎとやらなすぎです。興味があるうちは水を上げまくって枯らすし、忘れてしまうと水をあげないので枯れます。

しかし義母はうまく育てるところが、枯れかけた植物を元気にすることさえ出来ます。わたしから見ればそれは魔法。

夏休み前になると小学生の息子たちが学校で育てたミニトマトなどを持ち帰ってきていました。管理が悪くほぼ枯れていたソレを義母の家に持って行くと、1か月後には元気になって帰ってきます。なので、息子たちの夏休みの植物観察日記(2枚かく)は、1枚は夏休みの初期で枯れた状態、もう1枚は夏休みの終わりの頃で、元気に実がなっている状態の絵になっていました。普通逆だよね?っていう。

話がそれましたが、要は「自分でできる範囲に持ち込んで育てましょう」ということ。

地植えなら、自分が何もやらなくても突然枯れることはありません。種まきの時のときくらいは水をまきますが、あとはほったらかし。本当は水をあげた方がいいかもしれませんが、真夏のカンカン照りの日も、冬の寒い日も、「わたしが水をあげる」ことはほぼありませんでした。夏には2,3回水をあげた日もあるかもしれませんが、もしかしたらあげたかもしれない、というおぼろげな記憶があるかないか?くらいのものですから、手入れはしてないに等しい。たまーに、思い出した時に雑草を抜いたくらい。

そのくらいの手入れで生き残れる野菜じゃないと育てられないのです。

なので、マンションなどで地植えが無理な場合を除き、出来る限り地植えで育てましょう。地植えにする場合は地植えできる場所が必要なので、ハードルはちょっと上がります。そういう場所がある人は感謝をもって是非楽しんでほしいと思います。

植える場所について

植物が育つには日光が必要ですね。野菜を植える場所は、日が当たる場所がいいです。可能なら南向き・南側の畑。

我が家には南側と北側にちょっとした土のスペースがあるので、同じ日にほうれん草の種をまきました。同じように耕し、同じように肥料をいれました。そして約半年後のほうれん草の育ち具合はこんな感じ。

南側
北側
収穫した物。左が南側、右が北側
だいぶ違うでしょう?やはり植物は日があたるところが良さそうです。当たり前のことですが、こうして結果を目の前に突き付けられるとよりはっきりと分かります。

もしかしたら「北がいい」とか「日が当たらない場所がよい」という野菜もあるのかもしれませんが、素人のわたしには分かりません。わたしは「発達障害を抱えてても家庭菜園を楽しむ」には「放っておいてもある程度は大丈夫」が条件だと思っているので、その為には何もしなくても太陽の光が降り注ぐ場所の方が良さそうだと思います。

植える畑の場所は動かせないので工夫でなんとか出来るものではないかもしれませんが、できれば出来る限り日のあたる場所に植えましょう。

今の段階で、おすすめできる野菜

今のわたしのイチオシは、何と言ってもほうれん草(冬)。これは前回も書きましたように、季節的に虫に出会わずにすむことと、手入れとその後の片づけが圧倒的にラクだからです。今のところこれに勝る野菜はありません。

次点はゴーヤ。

Vishnu-Vasu / Pixabay

ゴーヤの利点は、大変丈夫でほぼ手入れ要らずの上に、出来た実は失敗なく食べられる(全部苦いから失敗がない)という点。あと、いっぱい実がなると飽きて最後の方はもう実が出来ていても取らないこともあるのですが、そうすると腐っておちた実の中の種が次の年に芽を出すことがあり、わりと何年も何もしていなくても自動的に生えてくるという面白さがあります。

オクラも育てるのが大変ラクな野菜です。花がかわいいのもいい。

SandeepHanda / Pixabay

ほぼ手入れしなくてもちゃんとした実ができるので面白かったです。しかしすぐに大きくなりすぎて食べどきが難しいのでその点は要注意ですが、育てるのがラクという点ではおススメできます。

まとめ

発達障害及びそれっぽい人に向けて、家庭菜園で注意すべき点についてまとめます。

  • プランターではなく、直接地面に植えること
  • 日の当たる場所に植えること

要は光と水を、自力でなんとかしてくれるような環境を準備してあげるということです。この2点さえ守っておけば、少々うっかりしても、だいぶ忘れていても、ある程度は大丈夫だと思います。


ゴーヤにはいろいろな種類があります。

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