「見えないちがい 私はアスペルガー」アスペルガー傾向のある女子に、絶対に読んで欲しい本

たまたま何かの縁で出合ったこの本。普段のわたしは、読みたい本があれば、まず図書館で探します。だいたいの本は図書館にあるので、予約できるようなら何人待っていようが予約。どうしてもなければ書店に行って試しに読んでみて、それでも読みたければ買う、という手順を踏みます。

図書館で予約する場合は、人気のある本の場合は数百人待っていることもありますが、あまり気にしません。読みたい本がたくさんあるので、他の本を読んでいる間に順番が回ってくることが多いからです。本によっては1年以上待ってたりもしますが、そんな本の場合は存在を忘れちゃってたりもしますので、あせることは全くありません(たいていの本は、どうしてもすぐに読みたい!とは思っていません)

ところが、この本に出合った時は「これは絶対私に必要な本。すぐに読まなくちゃ」と思いました。こういう「ピン」とくるものってたまにありますけど、この時もそうでした。図書館にもなかったし、すぐに買わねば。そう思ってすぐにネットで購入しました。本屋さんに探しに行く時間も惜しかったのです。

私は読書が趣味でありながらもミニマリストを目指す身でもあり、「本を手元に置いておくのはイヤ」なので、「本を買うという行為」はほぼ0に等しいのです。ですが、この時は違いました。届くのを心待ちにしてようやくこの本を読んだ時、「そうだそうだ、これだったんだ」と激しく同意して、なんとも言えない興奮に包まれました。

共感した部分

この本の内容は全編にわたり共感する部分ばかりですが、いくつか抜粋します。

P34 帰宅したら、ゆったりしたスウェットと大きめの靴下に着替える

わたしも、帰宅したらすぐに部屋着に着替えます。冬ならば裏起毛のスウェットと、締め付け感のないゆったりめの分厚い靴下です。

P39 頑張ってパーティーに出席しても、周りの騒音に包まれて自分がそこにいない、透明の存在になっていく

これは何度も体験済み。特に職場等、大人数での飲み会で感じることが多いです。周りは楽しんでいるのに、自分だけ心が冷めているような、取り残されているような。表面上はなんとなく取り繕ってその場にいるけど心はすごく孤独で、どうしていいか分からず泣きそうになったこともあります。はたからみたら意味が分からないと思いますが、自分でも「その場を楽しんだ方がいいと分かっているのに」馴染めず、辛くて逃げ出したくてどう感情を整理していいのか分かりませんでした。

P47見た目こそ人と同じですが、中身はほとんど違う。私だってありのままを受け入れてもらう価値があるのに

世界は大勢の「似たような価値観」を持っている人達の為に出来ているので、マイノリティにとってはどうしても生きづらくなります。どうすることが快適なのか?どういうことが幸せなのか?なんて人それぞれ。でも、多くの人が持っている価値観が「正しい」のです。自分のそのままを受けいれてもらえることなんてまずありません。本当はそうであってほしいけど。

マルグリットが服にうるさいわけではありません。着られる服が限られているんです。やわらかい素材で、苦しくならない少しゆったりした服ふなければなりません。要するに着心地のいい服です。ちなみに彼女はいつもタグを切ってしまいます。肌が敏感で、タグに触れると不快になるからです。

わたしも全くそのままです。服にうるさいわけではないと思うけど、締めつけず、ゆったりしすぎず、出来れば肌触りもソフトなもの。要は着心地の良い服が欲しいのです。そういう服はあまりないので、結果「すごく服にこだわっている人」みたいになってしまいます。自分の求めている服にはなかなか出会えないので、自分でお直しすることを前提に服を買うこともあります。

マルグリットは朝の7時に光目覚まし時計の小鳥たちの優しい歌声で目を覚まします。普通の目覚ましのけたたましいアラームで目を覚ましまらしたら、彼女は1日中ストレスに悩まされてしまうことでしょう

目覚まし時計の音はわたしもすごく苦手です。もともと朝に気持ちよく起きられた試しがありません。その上、目覚ましのような機械音で無理やり起こされるのは心も身体も朝からずたずたにされるようなもの。

今はカーテンを開けて寝て、朝になると光が差し込むようにしています。その光で朝を認識して起きられるようにしているのですが、この方法はわりとうまくいっています(目が覚めるというだけで、すっきり起きられるというわけではないのですが)

以前夫と同じ寝室で寝ていた時は、夫は遮光カーテンをしっかりとしめて寝たい人間だったので、それに合わすしかありませんでした。寝室を分けると「自分の快適さを追求できる」ので、快眠を一番に考えるなら別室で寝るのが良いと思います。

こんな人に読んでほしい

わたしにとってこの本は、「わたしは、こっち側の人間だ」と強く意識するきっかけとなりました。当事者の日常生活や日々感じていることが細かに表現されており、共感する部分がたくさんありました。

「わたしってちょっと変なのかも」という自覚がある人には、「そうそう!」と思う部分もあるかもしれません。わたしは「アスペルガー」とか「発達障がい」という診断をもらっているわけではありませんが、事例がほぼ当てはまるので「あぁ、もうこれに違いない」と思いました。

発達障がい系の本というと、精神科医とか専門家が「ある出来事に対してどう対応すればよいか?」というような本がたくさん出ているのですが(「発達障がいを抱える子どもをどう扱うか?」という親向けのとか)、当事者がその苦しみや胸の内を細かく打ち明けているものって少ないんです。(特にわたしのような「グレーゾーン」の人が発信しているものなんて、ほぼみたことがありません。)

この本はマンガで読みやすいので、こういった事例を知る最初のとっかかりとしてもすぐれていると思うし、周りに親しい人がいるなら読んでもらうと良いと思います。文字が書かれている興味のない本を、わざわざ自分の為に時間を作って「読んで」というのは気が引けるけどマンガなら読んでもらい易い。

読んでもらえれば、こんなふうに感じているのかとイメージしやすくなると思います。


わたしはこの本の主人公に「あまりにも共感する部分が多かった」ことから、わたしを知ってもらうために、家族にもぜひ読んでほしいと思いました。我が家では、中学生の息子は「確かにお母さんはこういうところあるね」と言っていました。小学生の息子は「んーー、何言ってんだかよく分かんない」と全く興味が持てないようでした。

夫については、「こういう本を読ませて自分ばかりが特別、自分ばかりが理解されたいと思っているのか」というようなことを言い出したので、無理に読んでもらう必要はないなと思いました。わたしとしては「こういう感じ方をする人間もいるし、わたしはこんな感じ方をすることか多い」ということを(マンガで読みやすくまとまっているから)理解してもらえたらと思ったのですが、素直に読んでくれる人ばかりではありません。抵抗を示す人もいますよね。

そういう時は無理に、理解させようとか受け止めて欲しいとか思わない方がいいでしょう。自分だけが辛い、発達障がいっぽいから辛いと思うのは大間違いで、健常者の人もそれぞれの人生に課題を抱え、悩みながら生きています。

社会的な能力だとか生き抜く能力だとかが高い・低いに関わらず、その人それぞれのレベルに応じた悩みはみんな持っています。

「発達障がいのヒトの人生は、普通のヒトの生活や世の中の流れに合わせることにまず努力が必要になるし、仕事だとそこから普通のヒトと同じように結果を求められるので、さらなるに努力が必要になるのだから、生きづらいし疲れる。」と単純に思いますが、「とにかくわたしは他の人より大変なんだ」「とにかく自分を理解してほしい」ということを全面に押し出していると、「辛いのはお前だけじゃない」「甘えるな」と思われてしまい、逆に「なんだコイツ」と理解を得られなくなってしまう可能性があります。

あくまでもマイノリティであり、「周りの人に理解をしていただく」「自分が不得意なことは協力していただく」身であることを自覚し、「あの人を理解してあげたい・協力してあげたい」と思わせる人間でなくてはいけません。
その為には「最初から誰か頼ったり、自分の人生を誰かのせいにしたりせず、自分で自分を分析して頑張ってもがいて、何とかしよう・何とか生きようと努力する」という基本姿勢は必要でしょう。

自分への理解を深めるとともに、社会とどう折り合いをつけて生きていくのか、他人に自分の障がいを理解してもらうにはどうしたらいいのか。そういうことを改めて考えさせられました。

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